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2007年01月21日

深い愛の中で育つ

電車で幾つも先の駅から久しぶりに来てくださったYちゃん。
もうじき2歳になります。
最初に見えたときは、まだ7ヶ月の赤ちゃんでした。
初めは、はにかんでお母さまの陰に隠れていましたが、だんだん慣れてきて絵本を読んだり、おもちゃで遊んだりと一緒に楽しい時間を過ごしました。

今回のお気に入りのおもちゃは、「カタカタ人形」と「モビールのねこ」。
このモビールは、世界で初めて子どものためのモビールを作ったヘラー社のもので、空気の微かな動きにも、ゆっくりと優雅に回りだします。
モビール ねこ.jpg
赤ちゃんから大人までがその動きに癒され情緒が安定します。
私もコンピュータに向かって仕事をしながら、ふと、このモビールに目をやるたびに、ほっと方から力が抜けて、安らぎを覚えるのです。
Yちゃんを抱っこして、モビールの動物たちをちょっと指で軽く押して回しながら、「ねこさん、きた、きた」、「あっ、いっちゃった」と、何度も繰り返していると、「きた、きた」、「いっちゃった」と言いながら私の顔を見ては同意を求め、飽きることがありません。

抱っこから降りて、「カタカタにんぎょう」の方へ向かったYちゃんが、ふいに、隣の「ステッキ遊びジャンボ」を指差しました。
色とりどりのステッキが100個ちかく透明の袋のなかにずっしりと入っています。
袋を開けて、1つ取り出し、ボードの穴に入れてみました。
ステッキ遊びジャンボ.jpg
それを見たYちゃんはすぐに自分でステッキを持って挿すことができました。
それから次々とステッキを挿しては、こちらを見て、「カタカタにんぎょう」のおにんぎょうを自分ではしごに置けたつど、両手を持ち上げてしてあげていた万歳を自分でしながら、声を立てて楽しそうに笑うのです。
そのたびに私は拍手をしてあげました。
Yちゃんと私はそれを何十回も繰り返しました。
そして、ときどきお母さまや私にもステッキを手渡してくれて、ステッキを挿す場所を指で指定するのでした。
Yちゃんはいつまでもこの遊びを続けました。
Yちゃんが、今までにこの「ステッキ遊びジャンボ」に熱中した子どもたちの中では最年少でした。

いよいよお帰りの時間になって「もう帰る時間だからステッキをしまいましょう」とお母さまが言われた途端、Yちゃんは抵抗して泣き出しました。
いつもは、とても聞き分けの良いYちゃんなのです。
お母さまが「今日は、残念だけれど、これは買えないの」とおっしゃいました。
それを聞くと、今度はYちゃんは、床にひっくり返って泣きました。
すると、お母さまは「そんな風に泣いてはいけません。」とおっしゃいました。
そしてYちゃんを起こすと、Yちゃんの眼をしっかりとみて、なぜ今日は買えないのかという理由をきちんとおっしゃったのです。
毅然とした態度でしたが、言葉の端々には愛情が溢れていました。
Yちゃんは泣きながらもお母さまのお話に耳を傾け、やがて泣き止みました。
そして、お母さまの「わかった?」との問いかけにちゃんと頷いたのです。
Yちゃんにのみならず、誰に対しても愛情の深さを感じさせてくださるお母さまですが、今日は、Yちゃんの初めての強い要求に立ち向かわなければなりませんでした。
でも、欲求を通せずに叱られたYちゃんですが、お母さまへの信頼は少しも揺らぎませんでした。
お母さまがおっしゃった言葉の意味と愛情をきちんと受け止めていたのです。
心から感動させられた一場面でした。

0歳の赤ちゃんでも、私が真剣に話しかけると分かってくれるという経験を何度もしていますが、今日は、Yちゃんのお母さまが、真剣勝負の育児プロセスの中でそれを見せてくださいました。
子どものためを思って真剣に語りかければ、小さな子どもでもちゃんと分かるのだと、一層信じられるようになりました。
帰り際、Yちゃんは、初めにお気に入りだった立体のおうちになる布絵本を買っていただきました。
すっかり落ち着いたYちゃんは、お母さまと私が話しかけているうちに立ったままコトンと眠ってしまい、お母さまにしっかりと抱かれて帰られたのでした。

投稿者 chizuko : 2007年01月21日 21:51